子育ての秘訣
この人に聞く 連載第九回
人生の先輩の考える子育てとは

Q.子どもに対して家庭で出来ること。また、高崎先生がやってこられたことを教えて下さい(2)
最近の子どもが持っているおもちゃには,どんな物があるのでしょう。昔から定番の積み木は、余り人気がないようです。とりあえずは買う,もしくは出産のお祝いに頂いた、けれど活用されなかった。心当たりの方,いらっしゃいませんか。
積み木をフロアーに出しておいて,親子での取り組みの様子を見ていると、一番多いのは ”どこまで高く積めるか遊び” です。そして、それ以上に発展しないで終わってしまう・・・確かに息を詰めてソーっと積み木を積んでいくことにも、意義はあるでしょう。でも積み木の魅力はそれだけに留まりません。
そもそも積み木程、子どもが自由に遊べる市販のおもちゃはないのではないかと思える程、積み木は有意義なおもちゃです。立体把握も、図形的センスも、創造生も詰め込まれたおもちゃです。しかし、このおもちゃにも今や旬があって、余り年齢が高くなってから使わせようとしても興味を持ってくれません。なぜなら、メディアに露出している子ども向けのキャラクター商品のほうがずっと魅力的になってしまうからです。
積み木は,出して遊ぶ時に上記のような有意性があるのと、片付ける時にも又、学習すべきことが含まれています。お母さんの中にも経験なさった方がおいでと思いますが、箱にぴったりとはめ込むのは、結構難しい作業です。しかし、積み木遊びが習慣になっている子は、たとえ3歳前後でもきちんと入れ込むことができます。
積み木は大概2段詰めになっていますから、最後までピタッと合わせるのに、重層を把握して操るのはすごいことですが、その度に違う手順でも、詰め切る能力を持っています。こうした遊びに隠れた訓練があれば、立体把握や図形の理解の基礎は充分に出来ます。 では積み木の本来の遊びの中身とはどんな物でしょうか。純粋に積み木だけで遊ぶと云うのは、ちょっと形式的すぎます。複数のアイテムの中に積み木も動員されて遊ぶことが多いのではないでしょうか。
男の子だったら、汽車や自動車の車庫にしたり、基地を作ったり。汽車も積み木で作ったりはしますが、鉄道模型やミニカー等が動員されることが多いと思います。女の子だったら、とは云いがたいのですが、おうちやお城を作るのも典型的な遊びです。
私の経験では、指人形程の大きさの人形をたくさん使って積み木の城でよくごっこ遊びをさせられました。そうして遊ぶうちに、ある時は遊びのお相手がいなかったりして、子どもは建物を造ること自体に集中したりします。
そうした時に、シンメトリカルな壮大なお城が出来てきたりするのです。積み木一箱だと、遊びには以外に不足気味です。私は2歳の誕生日に一箱、次の年の誕生日にもう一箱,孫にプレゼントしました。今では孫も大きくなり、その積み木達はパルで活躍しています。
鼠(2011/1/20)
生年 |
昭和26年生まれ |
出身地 |
東京都 |
略歴 |
小学校から高校までを、お茶の水女子大学附属で学ぶ
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高崎利子氏(3) | ![]() |
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