子育ての秘訣

親の力向上委員会

こどもの生きる力を伸ばすために

連載6 しつけは親子の信頼関係から

東京目白にある川村小学校の若林雅子副校長先生は、「子どものしつけが親子の信頼関係に基づくものであって欲しい」とおっしゃっています。

若林雅子 氏
若林雅子 氏

社会性をしつけるには

公共の場でのマナーをどう子どもたちに定着させていくのか、ということですが、まず、大きな前提として、親自身の公共性が問われている課題であると受け止めてください。

電車やバスの中で騒いだりするときに「だめよ」という言葉にはさほど、効果はありません。「電車は、みんなが使うものだから、静かにしていましょう。」と静かに諭すということが、必要です。

泣いて騒ぐとします。「そんなに騒ぐのならおりるわよ。」これが、よく使われるお母さんたちの脅し文句ですが、脅かすだけの言葉というものは、効果がないばかりか、親と子の信頼関係を損なうものでもあります。

言っておきながら結局はしない。そういうことが繰り返されると、いつも口だけだ、言っていることが信用できない、というように、人間そのものに対する不信感をつのらせることにもなりかねません。

幼い時期であればあるほど、感覚に刷り込まれることは大きいわけですから、親の対応しだいでは不信の種も、この時期に芽生えると考えて不思議はないのです。どのような場合でも、言ったことはきちんと実行することが、信頼の基礎となるのは、どういう人間関係であっても変わりはありません。

今の若いお父さん、お母さんに子育てへの提言

トラブルも大切な経験

集団生活をしていく上で子どもたちは些細なことで、友だち同士でトラブルをおこします。低学年のころは、ちょっとしたことでけんかをします。原因は様々ですが、今、喧嘩をしていても、次の休み時間にはさっき、喧嘩かをしていた相手とあそんでいます。

このように、子どもの喧嘩は大人とは違いますので、仲直りするのも早いのです。また、トラブルがいつまでも続くようであれば、学級担任も指導しますので心配はいりません。

一番大切なことは、親が子どもの喧嘩に口を出し、相手の親に電話をかけたりすることは、トラブルをさらに大きくする元になりますので、避けてほしいと思います。困った時には、担任の先生に相談するのがいいと思います。

子どもたちは、集団生活を通して将来、社会に出た時の人間関係を学んでいきます。喧嘩をするという経験を通していろいろなことを学ぶ場でもありますので、今こうして、自分の子どもだけではなく、お互いが育ち合っている過程にあるというような、少し緩やかで、温かな目線をもちあうことが特に必要なことのように思われます。

次回は「あいさつ」や身の回りのしつけについて考えます。(連載7へ続く)

鼠(2010/5/1)

しつけの基本は見本を示すこと   子どもへの愛を深める法

経歴

川村学園女子大学卒業後、川村小学校で長年、教鞭を取られる。
現在、川村学園川村小学校 副校長

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