子育ての秘訣

子育ての『いろは』

こどもの社会性を育てるには・・・

連載15 子どもの体は食べ物から作られる(1)

日本社会における子育てには色々な落とし穴があります。食というものもその一つです。母親の味覚が子どもに伝わるので、子どもと食について考えてみましょう。

■カロリー過多の栄養不足

現代では栄養失調という言葉と無縁だと思いがちですが、実はカロリー過多の栄養失調が増えています。昔の栄養失調はカロリーが不足していました。しかし現代ではカロリーは多すぎるのに、必要な栄養素が不足しがちなカロリー過多の栄養不足が問題なのです。

不足している栄養素は家庭科で学習した副栄養素(ビタミン・ミネラル・食物繊維)です。1日に必要な栄養素は約30種類あります(注1)。ですから食生活を改善すれば栄養不足を解消することが可能です。

連載15 子どもの体は食べ物から作られる(1)

【参考】
農林水産省のホームページから必要な食品成分(31種類)
たんぱく質
炭水化物
食物繊維
飽和脂肪酸
n-6系脂肪酸
n-3系脂肪酸
コレステロール
ビタミンB11
ビタミンB21
ナイアシン1
ビタミンB63
葉酸
ビタミンB12
ビオチン
パントテン酸
ビタミンC
ビタミンA
ビタミンE 8
ビタミンD
ビタミンK
マグネシウム
カルシウム
リン
マンガン


亜鉛
セレン
ヨウ素
ナトリウム
カリウム

■日本人の死因第1位は癌

60年前の日本では、死亡原因のトップは肺結核や肺炎でした。現在では約30%が癌となっています。実は癌も生活習慣病の一種です(男性の癌の1位は肺癌です)。癌の中で多い大腸癌は食生活が原因です。日本人の腸は穀物の紹介に適応して欧米人よりも長くなっています。それなのに欧米型の食事が一般化して食物繊維が不足しているのです。この腸が病気予防のポイントです。

■腸は免疫の要

乳酸菌のCMをご覧になったことがあるでしょう。腸には全身の6割もの免疫細胞が集まっていると言われます。腸内環境を整えることが免疫力を向上させる有効な手段です。腸内環境が崩れると善玉の乳酸菌が減って悪玉菌が増え、がんを引き起こす物質が増えて大腸癌になりやすくなります。

■予防医学が遅れている

日本の医療は進んでいますが、これは医療保険のおかげです。しかし医療保険は病気にならないと適用されないため、予防医学の発展を妨げている側面があります。食生活によって病気を減らすことができるのにです。

■私たちの体は食べ物からできている

私たちの体は新陳代謝によって日々新しくなっています。新しく作られる体は、食事からとった栄養素を使います。体は食事によって生まれ変わることができるのです。

体の入れ替わる速度(佐藤和子医師による)
  入れ替わりの早い成分 遅い成分
脳 1ヵ月で約40% 約1年
胃の粘膜 3日
腸の微絨毛 1日
肝   臓 1ヵ月で約96% 約1年
腎   臓 1ヵ月で約90% 約1年
筋  肉 1ヵ月で約60% 約200日
皮   膚 1ヵ月
血  液
4.5〜5Lの血液は100〜120日間ですべて入れ替わります


幼児期では1年半,成長期2年未満,成人2年半,70歳以上は約3年で入れ替わります
(筆者注:ここでいう入れ替わりとは細胞が死滅して入れ替わる場合と、細胞の成分が入れ替わる場合とがあります)

(2)へ続く…

羊(2013/2/8)

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