子育ての秘訣

子育ての『いろは』

こどもの社会性を育てるには・・・

連載1 子育ての極意は待つこと

子どもの時間はおとなの時間とは違う速さで流れています。上手に子育てされているパパ、ママは待つことを知っています。

子どもに時間の概念は無い

発達心理学を学んだことが無くても、子どもと接したことのある人なら誰でも、子どもの時間感覚と言うのはかなり漠然としたものだということはおわかりでしょう。
幼児教育関係者は「4歳の壁」というのを知っています。3歳までは一人遊びが多く、他の子どもと強調して何かをするというのは難しいのです。他人の心情理解も不完全です。時間の感覚については、過去・現在・未来がはっきり認識できてはいません。この年齢の子どもは「今」だけを生きているわけです。


4歳の壁と9歳の壁

4歳を過ぎると大脳の発達に伴い、時間と空間の認識が拡がっていくと共に、他者との関係も理解し始めます。
しかしながら、この頃の時間感覚はまだ曖昧なものです。出来事の順序は理解できても、1時間が1日を24に分割したもので、どの1時間も同じ長さであると理解しているわけではありません。小学校3年生で時間の計算を習うということは、時間の概念が理解できるのは平均的に10歳前後と考えられているからですね。発達心理学でよく使われるスキャモンの発達曲線というグラフがあります。このグラフで神経型の発達は9歳を過ぎると成長の9割を超えるとされています。
このことから抽象的な思考の準備が整うのは10歳前後と考えられていて、学校関係者には「9歳の壁」として知られています。

スキャモンの発育曲線


時間感覚のない子どもを急がずと逆効果

大人のような時間の感覚がない子どもに、「間に合わなくなっちゃうから、早く靴を履いて!」と急がせても効果はありません。「間に合わない」という感覚がピンとこないのですから。むしろ親の焦りが子どもに伝染して、普段よりも遅くなってしまったりしませんか?
こうなっては逆効果です。自分で履きたがっていた靴を取り上げてむりやり履かせ、それに反発して子どもは泣き出して歩かなくなる。「急いでいるのにどうして?」と親のほうが泣き出したくなった経験があります。

こんな時に子育ては難しいと感じるもの。


子どもとの行動は時間に余裕を持つ

子どもとの行動は時間に余裕を持つ

こうした事態を避けるには、まず時間に余裕を持つことです。9時に出かけようと思ったら、8時半には家を出るつもりで支度をします。こうすれば何かあっても遅れないで済みます。
小さいお子さんのいるご家庭は、時間が決まっているイベントには30分前行動を心がけましょう。すると親の心の余裕が子どもにも良い影響を与え、物事がスムーズに運ぶことが多いから不思議です。


子どもに理解できる説明をする

とは言うもののいつも十分に余裕を持つことができるとは限りません。子どもに急いで欲しいときには、彼らが理解できるように言い聞かせます。
「約束の時間に間に合わない」→「大好きな○ちゃんに会えなくなってしまいますよ」
子どもが「それは大変だ」「それは困る」と感じられるレベルに噛み砕いて説明します。この際に注意しなくてはならないのは「脅し」にならないことです。先の例では「あなたが行かないと○ちゃんに嫌われるよ」「○ちゃんが二度と来ないでって言うかもね」などと、事実ではない脅しをすることです。


親子の相互理解は子どもの立場を尊重することから

忙しい現代では、ついつい子どもを大人のペースで引っ張りまわしてしまいがち。良好な親子関係を築くためにも、子どものペースをできるだけ尊重したいものです。それが子どもが成長してからの親子の距離を縮めることにつながります。

羊(2009/06/11)

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