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2011/02/11
親像はぬいぐるみで
  •  子ども(幼児から小学低学年児)に、母性や父性が育っているかどうかは、ぬいぐるみの人形を抱かせてみればわかる。母性や父性が育っている子どもは、ぬいぐるみを手にすると、さもいとおしいといった表情で、それを抱く。中には頬をすりよせてくる子どももいる。しかしそうでない子どもは、ぬいぐるみをみたとたん、足でキックしたりしてくる。私が調べたところ、幼稚園の年長児で、男女を問わず、一〇人のうち八名が、ぬいぐるみを見せるとうれしそうな顔をし、約二人弱が、反応を示さないか、あるいはキックしたりするのがわかった。さらに小学校の四、五年児について調べてみると、約八〇%が、「ぬいぐるみ大好き」と答え、そのうち約半数が、ごく日常的に多くのぬいぐるみと接しているのがわかった。

     子育ては本能ではなく、学習によってできるようになる。つまり親によって育てられたという経験が身にしみこんでいて、今度は自分が親になったとき、子育てができるようになる。それを「親像」という。が、不幸にして、不幸な家庭で育てられ、この親像がしっかりしていない人がいる。しかし問題は親像がないことではない。むしろ何不自由なく、親の温かい愛情に恵まれて育った人のほうが少ない。問題は、その親像のないことに気づかないまま、それに引きまわされ、同じ失敗を何度も繰り返すことである。ある父親は、私にこう相談してきた。「娘を抱いていても、どれだけ抱けばいいのか。どう抱けばいいのか。それがわからない」と。その父親は、彼の父親を戦争でなくし、母親の手だけで育てられていた。つまり彼の中には「父親像」がなかった。

     話がそれたが、これだけは言える。ぬいぐるみを見せたとき、いとおしそうな表情を示す子どもは、将来、やさしいパパやママになることができる。(そうでない子どもは、そうでなくなるとは言えないが……。)そんなわけでもし心配な点があるなら、子どもにはぬいぐるみをもたせるとよい。これには男女の差別はない。またあってはならない。男の子でも、ぬいぐるみで遊んでいる子どもはいくらでもいる。

    はやし浩司さんのコラムからです。

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