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2010/11/21
嫉妬
  • 嫉妬はこころをゆがめる

     嫉妬心と闘争心。これら二つの感情は、おそらく人間がきわめて下等な生物であったときからもっていた原始的な感情ではないか。この二つをいじると、子どもの心はゆがむ。とくに嫉妬心は、人間をして、えてして常識ハズレの行動へとかりたてる。

     たとえばいじめ。陰湿ないじめが、長期間にわたって続くときは、この嫉妬を疑ってみる。いろいろなケースがある。K子さん(小四)は、学校で、陰湿なもの隠しに苦しんでした。かばんや上履きなどは言うにおよばず、教科書やノート、運動着さらには通知表まで隠された。そのためK子さんと母親は、転校まで考えていた。が、ひょんなことから、その犯人(こういう言い方は好きではないが……)がわかった。そのもの隠しをしていたのは、そのK子さんの一番の親友と思われていた子どもだった。その子どもは、いつもK子さんの心配をしながら、最後の最後までいっしょになくなったものをさがしてくれていたという。

     K子さんは背も高く、頭もよかった。学校でもたいへん目立つ子どもだった。一方、そのもの隠しをしていた子どもは、背も低く、器量も悪かった。そんなところにその子どもが嫉妬する理由があったのかもしれない。

     またこんなことも。Oさん(中二女子)も、同じようにもの隠しに悩んでいた。私に相談があったので、私はその母親にこう聞いた。「Oさんの一番そばにして、親友と思われる子どもはだれですか?」と。する母親はこう言った。「そう言えば、毎朝、娘を迎えにきてくれる子がいます」と。私はその子どもをまず疑ってみるべきだと話したあと、母親にこう言った。「明日その子が迎えにきたら、その子の目をしっかりと見て、『おばさんは何でも知っていますからね』とだけ言いなさい」と。その母親は翌日、私が言ったとおりにしたが、その日を境に、Oさんのまわりでのもの隠しは、ピタリとなくなった。

     つぎに闘争心だが、いわゆる動物的な、かつ攻撃的な闘争心は、幼児期はできるだけ避ける。幼児期は「静かな心」づくりを大切にする。この時期に一度、攻撃的な闘争心(興奮状態になって、見境なく相手を暴力で攻撃するという闘争心)が身につくと、それをなおすのは容易ではない。スポーツの世界では、こうした闘争心がもてはやされることもある。たとえばサッカーなどでも、能力というよりも、攻撃心の強い子どもほど、よい成績をあげたりする。ある程度の攻撃心は、子どもを伸ばすのに必要だが、幼児期にはそれにも限度があるのでは……? もっともこれ以上のことは、親自身の判断と方針に任せるしかない。それがよいと思う人は、そうすればよいし、それが悪いと思う人は、やめればよい。あくまでも参考意見の一つと考えてほしい。



    はやし浩司さんのコラムからです。

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